堅物くんとの恋愛過程
佐伯くんが私を探してくれてた……。
心配してくれてた……。
そう考えるだけで
胸が熱くなってくる。
「舞ちゃ~ん?私の存在、忘れてなーい?」
玲ちゃんが意味深な笑みを浮かべながら、口にしていたスプーンで私を突いてくる。
「あ……いや、その佐伯くんがね?委員会に出なかった私を心配してくれてたみたいで……」
「へぇ~それでそのニヤケ顔。しかも家だなんて嘘までついて」
「う……ごめん」
「冗談に決まってるでしょ?しっかし、あの堅物くんが舞を心配するなんてねぇ」
「うん」
「これはもしかしたら……もしかするかもよ?」
期待値MAXの玲ちゃんの笑顔。
願わくば私もそう思いたいところだけど
「あんまり調子に乗らせないで。佐伯くんが萌香先生を特別視していることは確かなんだから」
そう浮かれてばかりもいられない。
佐伯くんはあの通り、堅物で真面目だから単に心配してくれたのかもしれないしね。
変な期待をするのはやめておこう。
私は開きかけた自分の気持ちが入った箱の蓋を、そっと閉めた。