堅物くんとの恋愛過程
堅物くんは不器用です
佐伯くんとメアドを交換して3日。
だけど携帯に“佐伯くん”と表示されたことは一度もない。
つまりメールも電話も一向に無いのだ。
「服装チェックの時って言ってたもんなぁ」
自分のベッドに寝転がり、鳴らない携帯を頭上でかざしてみる。
次回のチェック日は来月。
気が遠くなりそうなくらい、まだまだ先の話だ。
「キリンさんになっちゃうよぉ?」
学校でも、それとなく遠回しには伝えてみたんだけど
“暇な時、気軽にメールしてね”って。
「………」
だけど、あの真面目で堅物な佐伯くんのこと。
“気軽に”なんて有り得ないか。
ふぅ……厄介な人を好きになってしまったものだ。
ん?
だけど、待って?
佐伯くんから来なければ
私からメールすればいいだけのことじゃん!
ようやく着地点を見いだした私は、早速携帯と向かい合う。
「“こんばんは。今なにしてるの?”」
と、操作していると
♪♪♪
突然、持っていた携帯がけたたましく鳴り始めた。
「うわぁ!?」
驚きのあまり、思わず携帯を落としそうになってしまう。
「だ、誰……って、えぇっ!?」
そこには……
着信先“佐伯くん”の文字が。