実録!!本屋さん


今日、おばちゃんは町内の子供会のイベントでくばる、贈り物用の図書カードを用意し忘れたことを思い出しました。


あわてて用意しなきゃと考えたところ、そういえば近くのアパートに本屋さんの知り合いが住んでたことを思い出し、(以前、八百屋で雑談した際に部屋番号を教えたのです)はるばる訪ねてきたそうです。


「いや、だから、うちには図書カードなんてないんですけど」
「そんなの分かってるわよ。買ってきてほしいの」
「はい?」
「だから、お金あげるから、あなたのお店まで行って、図書カード買ってきて」「ええ!いや、だったらご自分で買いにいけばいいじゃないっすか」
「わたし店番せないかんもん」
なぜか胸をはっておばちゃんは言いはります。


うへー、という悲鳴が喉元までこみあげます。


「なあ、頼むわ。どうしても、今日中に必要なんよ」甘えたしぐさで、おばちゃんが懇願します。全然かわいくありません。


ため息をついて、ぼくは了承しました。
「で、何枚いるんすか?」「50枚。全部『御祝い、〇〇子供会』ってノシつけて包んでな。内ノシで」
「……何時くらいまでにいるんですか?」
「二時半までにお願い」


現在、一時でした。




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