◆Loves to You◇【短編集】

麻里ちゃんは


傘を首と肩の間で挟みながら、メモ帳になんか書いてる。


ちょっと申し訳ない感じやけど…




《ううん、全然。ってか美月くん顔メッチャ強ばってるよ。気使わなくていいし》





「ホンマに?バレバレやな…」



麻里ちゃんエスパーやな。

なんか全部お見通しって顔しとるし。




《ってか美月くんって変わってるよね…たいていの男の人ってあたしが耳聞こえないのわかると逃げるようにいなくなっちゃうのに。》



「そうなん?気にする事ないって」




ニコッと笑ってくれたけど



きっと

俺が知らんようなつらい事とか苦しい事いっぱいあるんやろうな…






あかん…


俺はそんなん考えんように、いっぱいいっぱい話した。



好きなマンガのこと


得意な科目


最近ハマってる事…


一度話し出したら、もぉー止まらんかった。





《美月くんが初めての男友達かな?》


そう書いてくれた時はホンマに嬉しかった。




もっともっと

麻里ちゃんの事を色々知りたいって思った。


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