ミクロコスモス
「ついていきたくはないわね。」


門と隔てた“あちら側”はあまりにも混沌としている。

あたしはあまり好きじゃない。


それに、旅人は傘を持ってないみたいだし。




「あーあ。完全にびしょぬれになってしまうのに。」


まったく・・・。

わかってないのね。




まぁ、それでも。


探せることには探せるんでしょう。

“案内人”がいるのだから。




「なんとかなるわよ。」


だから、くじけちゃ駄目よ?

旅人さん。





―――なんて。


応援するなんてあたしらしくないわね。



興奮でもしてるのかしら。

久しぶりに“異変”が起きたから。





「門は開かれるのでしょうか。」


ふっと空から降ってきた声があった。

どこまでも清らかな、澄んだ声。




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