ミクロコスモス
あらあら。これはまた――



「珍しいわね。天使さん?」


「お久しぶりです、魔女様。」



綺麗なふわふわの金髪。

美しい碧い瞳は、真っ直ぐにあたしをとらえる。



「翼の傷は治ったのよね?」


「はい。“案内人”のおかげで、もうすっかりよくなりました。」


「そう。じゃあなぜいるのかしら?天に戻ったばかりだったんじゃないの?」


「門が開かれるかもしれないと聞いたので。」



あぁ、成程。


「神に見届けろって言われたわけか。」


「はい。神“様”に命じられました。」


「あぁ、ごめんごめん。あたし、神のこと敬ってないから。ついつい様とかつけんの忘れちゃって。」



あらら、天使さんを怒らせちゃったかしら。

ギロリと睨まれちゃったわ。




「・・・“案内人”は、全て知っているのでしょうか。」


ぽつりと零された言葉。




ふぅん。


「“案内人”に、情が移っちゃったのね。天使さん。」





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