年下オトコたちの誘惑【完】
「そろそろ、離れなさぁ〜い‼︎」
「えぇっ…」
「えぇっ…じゃない‼︎ほらっ…‼︎」

わたしに引っ付いてるエロワンコを、無理矢理引っぺがした。エロワンコは、不服そうだったけど、そんなの関係ないっ。

「じゃぁね、エロワンコ」
「あ‼︎エロワンコって言ったー‼︎ボク、エロくないもん‼︎健全な男子だもん‼︎」

おぅおぅ、エロワンコ手足バタバタさせてるよ。見た目は可愛いんだけどなぁ。残念。

「はいはい、わかったよ。んじゃぁね、エロワンコ」

わたしの言葉に、また何かキャンキャン言ってたけれどスルーして、来た道を戻ることにした。

あー、疲れた。なんだったんだろう、この無駄な時間は。

それにしても、この短時間で色々ありすぎたな。三匹の動物に出会うことなんて、なかなかない貴重な体験だったってことで、忘れよう。うん、それが一番だよね。

「なぁ」

んー、何か聞こえたような。幻聴?この短時間で脳内おかしくなったかなぁ。あー、疲れてるのかも。

「おい、無視すんなや」
「うぉっ…‼︎」

び、ビックリしたぁ‼︎急に腕なんか掴まないでよー‼︎

「って、ライオンあおちゃん」
「あぁん?今、なんつったよ」

ヒッ‼︎お、恐ろしい…。さすが、ライオン。めっちゃ、睨むと怖いんですけどー‼︎喰われる、絶対これ喰われるよ‼︎

あぁん、どうしてわたしこっち来ちゃったのよ‼︎色々考えてたら、海の家まで戻ってきちゃうなんて最悪っ…。

「離してよ。ばばぁには興味ないでしょ、あんた」
「だな」

だなって…。キィ…‼︎ムカツクぅ‼︎何様よ‼︎ちょっと、イケメンだからってね、その態度はなんなのよ‼︎わたしは、年上なのよ‼︎もっと敬語とか使えないわけ⁉︎

「わたしに用事なんかないでしょ。わたしは帰るんだから、離してよ」
「誰が帰っていいつった」
「は?」

なになに、わたしは帰るのにライオンさんの許可が必要なわけ?確かに百獣の王だけども‼︎

「お前、ばばぁだけど、そこそこ美人だからな。合格だ」

は?は?はぁぁぁあああ⁉︎“ばばぁ”ってのもやっぱり腹立つけど、“そこそこ美人”ってなによ‼︎しかもなに?“合格”って‼︎なんでこいつに、そんなん言われなきゃいけないわけっ⁉︎お前は何様じゃ、ボケーッ‼︎

あぁぁぁ…。イライラするっ‼︎
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