彼氏人形(ホラー)
有里は目を見開き、力を失っているように見える。


これ以上このままの状態を続けると、本当に命が危ない。


だから……。


どうか理解して……!!


ギュッと目を閉じてそう祈った時、葵君が有里の体を床へ寝かした。


閉っている首が解放され、有里が激しくせき込む。


「有里……!!」


かけよると、有里は目を開けて涙を流した。


よかった。


少しすれば大丈夫そうだ。


「紛らわしい事すんじゃねぇよ」


葵君がそう言い、フンッと鼻をならしたのだった。
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