彼氏人形(ホラー)
☆☆☆

商店街に入り、路地裏へと向かう。


いつものパン屋を曲がった所であたしは違和感を覚えた。


なにか風景が変わっている気がする。


そう思い、キョロキョロと周囲を見回す。


その違和感の正体に気が付いたのは、有里の方が先だった。


「あれ? お店がない?」


「え……?」


言われてみれば、いつも出ている【ドールハウス】の看板が出ていないのだ。


あたしと有里は咄嗟に走り出し、その店の前で立ち止まった。


「うそ……」


店の入り口には【空き店舗】というポスターが貼られ、不動産やさんの電話番号が書かれている。


あたしと有里は呆然として立ちつくす。


「やっぱり逃げたんだ……」


あたしはギリッと奥歯を噛みしめる。
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