彼氏人形(ホラー)
クラスメイトたち
蒼太が機嫌よく過ごした日は、あたしも安心して眠ることができた。


翌朝目が覚めると蒼太が先に起きていて、ベッドの横であたしの寝顔を見つめていたのだと言う。


「恥ずかしいからダメ」


と言うと、蒼太はわざとらしく「可愛かったよ」と言った。


こんな関係が当たり前に続けられないのはどうしてだろう。


蒼太が人間なら、理性がちゃんと働いて普通のカップルとして過ごせるかもしれないのに。


そう考えると、目の前にいる蒼太から視線をそらした。


「今日も学校だから、行ってくるね」


「うん。今日はテストなんだろ? 頑張れよ」


「う、うん」


本当はテストというのも嘘だ。


実紗からのメール内容を悟られないために、咄嗟に口から出ていた嘘。


最近のあたしの生活は、嘘で塗り固められている。


「あれだけ勉強したんだから大丈夫だって。そんな心配そうな顔しないでよ」
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