彼氏人形(ホラー)
☆☆☆

学校へついても当小テストなんてなくて、あたしはぼんやりと机に座って今後の事を考えていた。


とりあえず、今日の放課後もう1度【ドールハウス】のあった場所へ行ってみる。


その周辺のお店に、【ドールハウス】の移転先を知らないか聞いてみる。


そこまではプランとして出来上がっているのだが、その先どうしようかと思っている。



個人情報を売買したり、不良品を買わせたりしているお店だ。


そう簡単に移転先を周囲に教えているとは思えない。


聞きこみの成果は、正直期待できるものではなかったのだ。


「陽子、おはよう」


しばらくすると実紗が登校してきた。


その顔は疲れていて、目の下にクマができている。


「実紗、大丈夫?」


「うん……。昨日なかなか眠れなくて」


「葵君と、また何かあった?」


「ううん。あたしが気を使っていれば葵はご機嫌だからいいの。でも、その分神経を使っちゃって……」


実紗はそう言い、ため息をはきだす。
< 172 / 304 >

この作品をシェア

pagetop