彼氏人形(ホラー)
実紗はあたし以上に疲れている。


ちょっとした事でもキレてしまう性格の葵君が相手だから、かなり辛いのだろう。


「今日、保健室で寝てる? 先生にはあたしから説明しておくよ?」


「ありがとう……。お願いできるかな?」


「もちろん。お昼になったら起こしに行くから、ゆっくり寝てるといいよ」


あたしがそう言うと、実紗はカバンを机に置いて教室を出て行った。


あたしはその背中を見送り、早く、なんとかしなきゃ。


と、唇をかんだのだった。
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