彼氏人形（ホラー）
☆☆☆

翌日、クラスへ入るなり先に登校してきていた実紗が真っ先にあたしの元へと駆け寄って来た。


その勢いにあたしはたじろき、一歩後ずさりをする。


「そんなに慌ててどうしたの実紗」


「今日【ドールハウス】からメールが来たの！　あたしたちの彼氏人形、もう出来上がったって！！」


興奮気味にそう言い、その場で飛び跳ねて喜ぶ実紗。


その言葉にあたしの思考は一瞬停止した。


「え……うそ……」


「嘘じゃないわよ、ほら」


実紗が送られてきたメールをあたしの目の前へかざしてみせた。


そこには確かに【ドールハウス】からのメールが表示されていて、出来上がったという内容が書かれていた。


実紗が文面をスクロールさせると、その下には２体の人形彼氏の写真が添付されていた。


「見て、すっごいリアルでしょ」


実紗の言う通り、写真に写っている人形彼氏はどこからどう見ても人間そのもので、あたしはゾクリと背筋に寒気を感じた。
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