彼氏人形(ホラー)
「俺と実紗の関係に口出しをするな!!」


葵君はあたしに向かってどう怒鳴り、片手であたしの体を付き飛ばした。


あたしはその衝撃で後方へ吹き飛ばされて、駐車場に体を打ちつける。


この前よりもずっと強い力だ。


あたしは痛みに顔をゆがめ、葵君を睨んだ。


「葵!! なんてことするのよ!!」


片腕を掴まれたまま、実紗が悲鳴に似た声を上げる。


「俺たちの邪魔をするからだ。ほら、帰るぞ実紗」


葵君は実紗の体を引きずって行く。


実紗は体勢を低く保ち引きずられまいと踏ん張るが、葵君の力にかなわない。


「葵やめて!!」


「どうしたんだ実紗、今日はやけに聞きわけが悪いぞ」


「葵があたしの友達に手を出すからでしょう!?」


「実紗は俺よりその友達の方が大切なのか!?」
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