愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
「よぅし、私が圭太に聞いてあげるよ!」
「何聞いても同じだよ、話したくないって言われる。」
「千尋、よく耐えたなー!」
そう言ってまたさゆりは私の頭を撫でた。
けど、違和感を感じた。
圭太には好きな人がいる。
分かってる。
だけど…今、私の隣にさゆりがいる。
さゆりも圭太が好きなら…。
同じクラスで、席も近かったら…。
私、今まで知らないでさゆりに…。
私はいつまでたってもそれが気になって仕方なかった。