愛合傘Ⅰ~終わることで始まる物語~【完】
美しい紅葉が枯れ葉となり、落ち葉の季節となった頃だった。
「ねぇ、私圭太と別れたの」
「そうなんだ…」
その時心が一気に軽くなった。
やっと、4ヵ月間の苦しみがなくなった。
「楽になったって感じね」
「え?別れたのに?」
「好きじゃないもの。私はただ付き合ってあげてただけだから。」
そっか、そうだよね。
好きじゃないのに付き合えてたんだ。
私は好きなのに付き合えない。