ヒミツの王子さま!
そのたびに、きっと日向の顔も浮かぶんだろうな。
「ひな」
名前を呼ぶと、オズオズ振り返る。
立ち止まった彼女のそばまで歩み寄ると
そのまま抱き寄せた。
俺ってさ、こーゆうの全然慣れてなくて。
恋とか愛ってゆーのはよくわかんねぇし。
だけど。
お前だけには、ちゃんとわかってほしい。
ちゃんと伝わってほしい。
わかる?
だから、俺の言葉を聞き逃さずに聞いててよ。
俺も、日向の事ずっと見てるから。
1秒たりとも見逃したくないって、そう思える。
「俺はひなが好きだよ」
「……ナオはずるい」
目を細めて、口角をクイッと持ち上げた。
これが俺なりの『天使の微笑み』ってヤツだよ。
「っはは。ひなは可愛いな」
「うぅ」
そして。
さくらんぼ色したその唇に吸い寄せられるように
そっとキスを落とした。
誰もいなくなった校舎。
静まり返った廊下。
開け放たれた窓から、ふわりと風が流れ込む。
その中に少しだけ春の予感を連れて―――……。
fin.


