ヒミツの王子さま!


日向は「信じられない」と言うような表情で俺を見つめている。



だからなんなんだって!!



「・・・知らなかったの?優勝した学年には一年間の学食免除なんだよ?」

「・・・・がく?」



学食免除おぉぉぉおお!?


やばいな。


・・・大きい。



大きすぎる。



だったらまじでやったのに。



そりゃみんなムキになる訳だわ。
うちの学校の学食は、うまくて有名。
なんと言っても、その量!!
育ち盛りの俺たちにも満足いく位の量なんだ。

俺、この高校入って良かったと思ったのはそれくらいだったもんなぁ。



最悪。


俺がここに居るって事は、もう俺らの優勝はないって事じゃん。



つーか後がこわ・・・・




さっき教室を覗いた時のみんなの激励が甦ってきた。




途中参加ってあり?



なんとしてもここから出て、MSCにでなきゃ!!!



「え?・・・ちょ、ちょっとナオ?」


「ちゃんと出口探そう。今からでも参加する!!」



俺は、もう一度ドアノブを握り締めた。




「くそッ、なんであかねぇんだ。つかなんで鍵かかってんだよ!」




周りを見渡しても何もない事はわかってる。

俺はグシャグシャと髪をいじった。






・・・・あ。



そう言えば。



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