社宅アフェクション
バカだ…。勝彦に言われるのはムカつくけど、私はやっぱりバカだ……


“明日から部活動はお休みになります”


部活の終わりのミーティングでそう言われ、やっと思い出した。
テストまで、あと5日しかないってこと──


「真綾お姉さまに会える時間が短くなるなんて……寂しいです」
「あぁ~あぁ、うあぁ~あぁあ……」
「お姉さま、私と会えないこと、寂しいからってそんなに苦悩しなくても…嬉しい♡」
「違うわっ!!」


部門やクラスの出し物が決まって、放課後補習が短縮になって、少しずつ学校祭のクラスの準備が始まって……


向かっている先は、学校祭だったじゃん!!


ここでテスト?ここでテストがでてくんのか!?空気よめよ、定期考査!!!!


「浮かれていた私!つきつけられた現実!テストまで残り5日で、9教科をどう消化していくのか!」
「番宣ですか?真綾先輩」
「ダメ、由香里。こういう時の真綾お姉さまはね、そっとしておかないと」


後輩2人の暖かい眼差しに気づかずに、私は今後の予定を、呪文のようにブツブツ唱えていた。
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