社宅アフェクション
部活が終わって部室をあとにした時にはすでに8時を回っていた。
この時期は学校祭準備中だから、8時30分まで学校を開けている。それに乗じて、毎年この期間の野球部のレギュラーは遅くまで練習することになる。


「さすがにもういねぇか」


帰る前に、一応図書同好会の部室に寄ってみたが、真っ暗で誰もいなかった。


「帰るか…」


そうひとりごとをいい、俺は玄関に向かった。

          :
          :
          :
          :

暗い夜道を1人で歩く。


あいつら、ちゃんと大陸と目黒のこと手伝ってくれたんだろうか。真綾は驚いただろう。2人きりどころか、たくさんいるんだもんな。


……なんか寂しい


1人で帰るのは初めてでもないし、うるさいのは苦手だ。
でも、なぜか寂しいという感情がわいてきた。


この道を急げば、あいつらに追いつくか?いやもう家に着いたよな…
< 172 / 331 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop