社宅アフェクション
朝練を終え、教室に入るとすぐ、他の返信メールも確認した。


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 頼みごとの次はお礼か!いやぁ、貴重な
 かっちゃんが、たくさん見れるね(^^)
 俺も美術部と部門の板ばさみの中手伝うん
 だから、しっかり野球で返してちょ(´∀`)b
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 本荘が私に“ありがとな”なんて気持ち悪
 いから言うな!手伝うのも、もと図書同好
 会だからだしな。あと、お前のシケた顔は
 もっと気持ち悪いから、野球に本腰いれろ
 よ?メニュー係なんて捨て置いておけ!
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 勝彦くん!!お礼なんていらない!!野球で頑張  るかっこいい姿さえ見れれば幸せだから♡
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直人も京子も佳乃も、急だった頼みに文句の1つも言わず、書き方は違っても、俺のことを考えてくれているのが伝わってくる。 


俺はこいつらのことを、どこまで分かっているだろう。関わってきた時間は長い。
でも過ごした時間と理解は、俺の中では比例していないみたいだ。


たった一晩のメールで、俺は大切なことに気づかされた。
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