社宅アフェクション
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開祭式はすごい盛り上がりだった。ダンスに歌に映画に……。ここから学校祭が始まるってのに、あの騒ぎよう──学校祭は荒れそうだな。


途中で酒田と由香里も合流し、そろって体育館を出た。


「よく俺たちの場所が分かったな。あの暗がりと人混みの中で」
「まぁ、あんだけ騒いでる直人と一関がいればどこでも見つけられるよ」
「確かにな」
「しゅたもかっちゃんも、俺たちに失礼…」
「大丈夫かよ、直人」


跳んだり回ったり、一番賑やかだったやつは、現在一番疲れ気味だ。
開祭式が終わった今、9時45分。あと15分で本当の祭りだ。


「さて、それぞれの持ち場に移動すっか。私と佳乃は喫茶だな」
「宮崎、俺たちもだけど」
「あぁ、酒田と本荘もか」
「俺とハニーはお化け屋敷だね」
「あや姉、なおちゃん、よろしくね。僕は部門の仕事してくるよ」
「私と由香里は先に遊んできます!」
「遊びながらお化け屋敷の宣伝もしますね!!」
「私は部門に……」
「うおっ、目黒っ!?」


それぞれ行動確認をしていたその中に、いつの間にか目黒も紛れていた。突然現れられると、心臓に悪い。


「さつきちゃん!お化け屋敷のトップバッター任せてね!」
「よろしくお願いします」
「よーし!!それじゃあみんな、頑張ろ~う!!!!」
「「おぉぉぉぉぉぉっ!!!!!!!!」」


真綾のかけ声を合図に、俺たちは別れた。
学校祭初日が今、始まった───
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