社宅アフェクション
「はい、みんな!1日目、おつかれした~!!」


委員長(女)が声を張り上げる。
その瞬間、拍手がわき上がった。


「それでは、本日の売り上げでっす!!25,660円なり~!!!!」
「「よっしゃあ~っ!!!!」」
「「やったぁ~っ!!!!」」


クラス中が雄叫びをあげる。
明日も頑張れば、その金額から材料費もろもろを差し引いても黒字になるはずだ。


「もうひとつ発表するよ~!!」


委員長(女)は、1枚のボードを出した。一番上に“+α表”って書いてある。


「今日、写真と指名の注文が一番多く入った人はっと……」


そんなことまでつけてたのか!!
もう何かの店の支配人みたいになってる。


「うわっ、ダントツ人気じゃん!!この店のホープは………」


おいおい、店って…
私にとってあまり興味のない発表に、クラスの大半が固唾を飲む。


「花巻真綾ちゃんで~す!!写真18回、指名9回の大記録出ました~っ!!」


わ…た…し……?


「なんで私じゃないのよ~!!あっ、でもぉ?私は勝彦くんにだけ見てもらえればいいしぃ?」
「すげぇじゃん、あや子!!実は人気あんだな!!まぁ、かわいいしな」


拍手と妬みの目に囲まれて、私は声が出なかった。
どうしようと周りを見渡した私の目に、微笑む直人と複雑そうな勝彦が映った。
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