社宅アフェクション
朝から学校祭の部門の話で賑やかだった教室は、学校祭運営委員の言葉で静かになった。


「装飾部門。本荘勝彦くん……と、2人め、花巻真綾さん」


やった!!私、装飾部門になれた!これで大陸と一緒だ!!勝彦の方を見ると、驚いた顔で私を見ていた。
その視界に、直人が割りこんできた。


「ハニー、装飾部門にしてたんだ!俺もそれにすればよかったかなぁ」
「何になったの?」
「大看板部門。美術部だし、3年連続ね」
「ふ~ん。まず、これで大陸との学校祭、第一関門突破!!」


勝彦が装飾を選ぶのはお見通しだった。ただあいつは知らないだろう。装飾部門が超忙しいこと。試合の近いやつに、部門の参加はきびしいだろうな。


「勝彦に大陸と2人きりになるチャンスはないのだ!ふっふっふっふ」
「真綾ちゃん!気味の悪い笑い声だして、さっきから人の話聞いてるの?」


ふと我にかえると、直人はいなくなり、代わりに一関佳乃が目の前にいた。
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