臆病者の散歩道
なんて、この勢いで言えたらいいんだろうけど。
言えないし。
たぶん、柚もまともに聞いてないだろうし。
「ま、まさ…!」
柚は俺の考えを余所に、まだバタバタしてる。
「…あーもー。うるせぇなぁ…。」
「え…?」
柚が黙った。
いや、黙らせた。
自分でやっときながら、心臓が止まった。
時間も止まった。
今までたかがキスでこんなドキドキしたことなんてないんだけど。
自分にも驚いた。
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