極上な恋のその先を。


「……」



ジッとあたしの言葉を聞いていたセンパイ。

椅子に座ったままのセンパイの瞳が、グッと細められて。
その眉間に、シワが刻まれた。


そして、大きなため息を零すと、デスクに頬杖をついてあたしを覗き込んだ。



「んなの、ダメに決まってんだろ」

「え?」



呆れたような、そんな声。

体中を、鈍器で殴られたような衝撃に頭が真っ白になる。



……ダメ?

待ってるのも……ダメなの?




「……迷惑ですか?」

「は?」


俯いていた顔をガバッと上げて、センパイを見た。

視界がブワッと滲む。

喉の奥が焼けるように熱い。



「あたしは、センパイの傍に居たい……!でも、それは出来ないから……だけど、せめて……」

「おい……」

「せめて、待っていたいんです! それも、許してもらえないんですか?あたし……」


とめどなく溢れる想いが、涙となって頬を伝う。
センパイへの好きが、こんなにも零れてくる。

< 67 / 82 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop