偽りの婚約者
第3章

私にできることがあるなら、助けたい
そう思った私は霧野さんの偽の婚約者として生活していくことになった

「羽花は…高校生…だよな?」

「そうです」

「親にはなんて言えばいい…?」

「私、親いませんから大丈夫ですよ」

「親がいない?」

「…捨てられたみたいなもんです」

「捨てられた…か」

「物心ついたときから両親は仲が悪くて、私が話しかけても無視でしたし…とにかく家族が仲悪かったんです。それで私が中学に入ったときに両親は離婚して、どちらに引き取られることもなく施設に預けられました。それで高校生になったときに施設をでて、アパートで一人暮らしを始めたんです」

「なるほどな……羽花、明日学校休むことできるか?」

「できますよ」

「よし、明日羽花の服とか生活に必要なものをアパートから、うちに運びこもう」

「…え?もしかして私この家に住むんですか?」

「当たり前だろ…偽とはいえ婚約者なんだから…それから敬語は使わなくていい、俺のことも賢人って呼んでくれ」

「わかりました…」

「わかりました、じゃなくて?」

「…わかった」

「よくできました」

そういって私の頭を撫でる賢人

…なんだか今日会ったばっかりなのに、賢人といると落ち着くな…

「もう遅いから…今日はゲストルームに泊まっていくといい」

あ…もう8時か

「うん、そうする」

「っとご飯もまだだったな今持ってくるから待ってろ」

「はーい」

婚約者…か


……回想の世界から戻ってくると


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