fine true happiness



「どうしてなの?ねっ!」


「ごめん
自分から告っておいて
そして 自分から一緒に暮らそうと
言っておいて
結局は 彩を裏切った」


「ねっ!ねっ!どうしてよ!
ここに 帰ってきてくれるってことは
あたしのこと 少しでも
思ってくれてるからでしょ?」


「ちょっと待って 忘れてない?
ここへ帰ってきてくれるって言うけど
ここ オレんちだから」


「なんで そんなこと言うのよ!」


いくら 胸を叩こうが
身体を揺すろうが
全くあたしの顔を見てくれない雅人。


その態度から もう雅人の心は
あたしに 向いてないんだと
確信した。


「わかった
あたしが引けばいいのね…」


「ああ…」


「ただ 今晩だけは ここに泊めて
この時間に 追い出されても
行くところないから」


あたしは 自分の荷物の整理を始めた。



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