ありがとう さよなら(短編)
「………らッ…」
相馬君が私の名前を呼んだような気がしたけど、でもそれは気のせい---
走って走って走って…---
そして私は屋上へと飛び出した
ヒュゥ…---
扉を開けた瞬間、冷たく強い風が私を襲ってきた
でも今の私には丁度良い、風---
この強い風が私の気持ちを吹き飛ばしてくれればいい
瞳を開けると風が私の涙をさらってゆくのが見えた
ゆっくりと歩き、そして屋上の柵に触れる
さっきのは何だったのかな?
もしかして夢だった?
昨日まであんなに私達、仲良く一緒にいたのにどうして?
「………」
指につけていた指輪を手の平に乗せた
それは私の誕生日に相馬君が買ってくれた指輪
とってもとっても大切な私の宝物---