本当の居場所
制服に着替え、優矢の待つ場所へと向かった。
壁に背中を預けて、下を向く優矢。
優矢のつらそうな表情が、あたしの胸を締め付ける。
「………優矢」
「あっ、紗雪? 着替え終わった?」
作り笑顔の優矢。
無理して笑ってるのが、嫌でも分かる。
こんな笑顔をさせてるのは…あたし。
さっきの笑顔だってそう。
「帰ろっか」
あたしたちは並んで歩き出した。
けどいつもと違うのは………
繋ぐことのない、手。
いつもは固く握り合ってる手も、
今はお互いの温もりを拒むかのように
下に向かって垂れたまま。