幕末オオカミ 第二部 京都血風編


「……土方。
あんたが知りたがっていたことを、教えてあげようか?」


槐が前に出る。


懐から小さな巾着を取り出し、顔の前で振って見せた。


「なに?」


「人ともののけがどうやって同化するか……。

この人の不治の怪我を、どうやって治すのか」


槐は巾着を開け、中のものを取りだす。


「こうするんだよ!」


それが何か見えないうちに、槐は山南先生の髷を引っ張り、無理やりに顔を上げさせ、それを口の中に押し込んだ。


「食え!その腕を治したければ!」


山南先生は苦悶の表情を浮かべ、口内に突っ込まれたそれを、首を振ってなんとか吐き出した。


しかし、欠片が口の中に残ってしまっていたのか、彼ののどがごくりと動く。


「……飲み込んだわね」


「お前、山南さんに何を……」


「感謝してほしいものね。これで彼は、腕が治るのよ」


槐の言葉に、仲間たちはハッとして山南先生の右腕を見つめる。


その血管が盛り上がり、だんだんと青く色が変わっていく。



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