キミトワタシ
「みなさん!席について!今日は席替えをします。いつもどうり、くじ引きでいいわね。それじゃあ1班から引いていってください」

 ガタガタ・・・。

「それじゃあ、引いた番号のところに座って!座ったら・・・。そうね、隣の人と教科書の100ページから120ページまで読みあってください」

 ワタシの番号は・・。33だ。一番後ろの席か。隣は誰だろう。女子かな。男子かな。どっちにしろこれから一緒だし、仲良くしておこう。

「輝風(てるかぜ)・・・さん?・・・そこの席なの?」

 スコシ低い声。。。たしか、坂本遼(さかもと りょう)だったはず。

「うん。坂本君は隣?」

 コクン。

 縦に首をふった。無口なのかな。・・・クールなんだ。

「よろしくね。」

「・・・こちらこそ。」

 う・・・。なんか気まずいかも・・・。・・・ん?

「ブツブツ・・・。」

 ・・・はじめてくれた。よかった。ワタシからはなんか無理かも。

「あ、えっと・・・。その・・・。」

 や、やばっ。かんじゃった・・・。は、恥ずかしい・・・。

 ワタシは顔が真っ赤になった。

 クシャ・・・。

 坂本君は、ワタシの頭をそっとなでた。

「坂・・・本・・君・・・?」

「ご、ごめん!嫌だった・・・?」

「う、ううん!全然っ・・・。あ、ありがとうっ」

 カァッ・・・。

 坂本君は真っ赤になった。


カワイイ。


こんな一面もあるんだなぁ・・・。


ワタシ、坂本君と上手くやっていけそうな気がするっ。


たぶんだけど。坂本君のかわいい顔とかも、モットみたいし、坂本君のイロイロなところが見たい。
 

 なんだろう。こんなキモチはじめてだ。


 これはなんなんだろう。自分にもわからない。不思議な気持ち。

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