忠犬ハツ恋
「だからね、罪滅ぼしって言うかさ。
叶えてあげたいわけ、圭太の想い。
頭の片隅でもいいからハチ公ちゃんの中に圭太を置いといてくれないかな?
兄の俺が言うのもナンだけど圭太いい奴なんだよ。ぱっと見、怖いだろうけど。」

「はぁ………。」

檜山君が……私を好き?
本当にそうだろうか?

何だか俄かにお兄さんの言う事が信じられなくて、
気のない返事をして私はその日、家に無事に送り届けてもらった。

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