忠犬ハツ恋
懇願するキス
帰宅して直ぐにお風呂に入って体を暖めた。

グチャグチャな頭を整理しようとするのに
余計に混乱して頭が働かない。

どれくらいお風呂に入っていたのか
突然脱衣所から声がして心臓が飛び出る程驚いた。

「美咲、こんな時間に風呂?」

大ちゃんだった。

「ちょっと雨に濡れたからゆっくり体暖めてたの。もう上がる。お帰り大ちゃん。」

慌てて風呂から上がると頭がフラフラした。
今日1日でいろんな事があり過ぎたせいだ。

リビングに行くと大ちゃんがソファーに座って深夜のニュースを見ていた。

「大ちゃんこそどうしたの?こんな時間にウチに来るなんて。」

今日は平日だ。本来なら大ちゃんは1人暮らししている自分の家に帰るはず。
大ちゃんは私をソファーの隣に呼んだが、私は「ちょっと待って」とキッチンに水を飲みに行った。
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