忠犬ハツ恋
遅れ馳せチーズケーキ
「出来た!」

コンロの火を止めて伸びを1つした。

今日は延び延びになってた大ちゃんの誕生会。
プレゼントは結局ネクタイにした。

メイド服姿で大ちゃんが喜んでくれるとは思えないし、何よりもう二度とあのコスプレに袖を通す気にはなれない。

今晩は大ちゃんのリクエストの肉ジャガとほうれん草の煮浸し。

誕生日ケーキは今年はチーズケーキを焼いた。

トータルバランス的にどうかと思うけれど、大ちゃんはそういうところを気にしないタイプだから助かる。

「さて、後は主役を待つだけ…。」

駐車場に車の停まる音がして、私は慌てて玄関に走った。
大ちゃんが玄関に辿り着く頃を見計らって玄関の扉を開ける。

「お帰り!大ちゃん!!
お仕事お疲れ様。」

大ちゃんは疲れた顔でも微笑んでみせた。
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