忠犬ハツ恋
枠決めは大詰めに差し掛かっていた。
が、正直ここからが大変なんだ……。

お好み焼きを食べ終えて大我と本格的に仕事に取り組む。
部屋にはお好み焼きの残り香が漂っていた。

「…なぁ大我、お前浮気された事あるか?」

「あるよ。大学ん時の蘭子なんて3マタだったぜ。まぁ、俺もその時2マタだったけど。」

「どうやって彼女の浮気に気付いた?」

「そうだな?元気いっぱいなのに"風邪ひいてるから"ってキス拒まれたり…。
浮気と言うか、心変わりに気付いた。」

さっきの美咲とのキスを思い返していた。

「何だ?まさかお前、美咲ちゃんの浮気でも疑ってんの?」

「……キスがさ、…違ったんだよ。今までと。」

"チュッ"と微かに音がした。
そんなキス出来なかったはず。

「美咲ちゃんも高校生だ。進んでる子からいろいろ情報も収集するだろ?
それでなくてもテレビに雑誌に情報は溢れまくってる。」

「まぁ…そうかもな……。」

「美咲ちゃんは浮気するタイプじゃない。」

「分かってる。
……ただ素直な分だけ騙されやすい。そこが心配なんだ。」

親友の茜ちゃんに会っておくべきかな?
そんな事を考えていた。
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