忠犬ハツ恋
変な事を言うなぁと思った。

私は16になったら大ちゃんと結婚して
当然大ちゃんが今1人暮らししてるマンションに一緒に住むものだと思っていた。
それが私のお父さんの強い反対に合い結婚は婚約にとどまった。
その時点で大ちゃんはお父さんに同調した。
まだ一緒に住むべきじゃ無いと。

「お父さんの説得、出来るの?」

「するよ。いざとなれば。」

もう今の生活に落ち着いて来ていた。
そうなると今更大ちゃんのところに行くのは嬉しいけど正直面倒だった。
大ちゃんのところから高校に通うならきっと今より30分は早起きしなきゃならない。

「でも大ちゃん家からだと高校がちょっと遠い……。」

「朝、送ってやるよ。」

それは決して有難くなかった。
学校では私は援交の疑いで謹慎していると噂になっている。
これ以上目立つ事はしたくない。

次の大ちゃんの一言でようやく大ちゃんの真意が読めた。

「最近変な電話は掛かって来てない?」

大ちゃんは詩織さんの行動を危ぶんでいた。
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