不良王子のぽっちゃり姫

「俺も今まで、細い女が好きだと思ってた…
けど、あのポッキー旨そうに食ってる顔とか
ヤベェ…」

「あの子は、香音ちゃんの友達の蒼川アゲハ。
んな気になったなら、香音ちゃんと今日ケーキバイキング行くけど、タダ券あるし…
ってかお前は甘い物好きじゃ…」

「行く。俺、絶対アゲハと付き合ってみせる」


―――――――――――――――――――――

―――カランカラン♪


「げっ…女しかいねー」

「いらっしゃいませ。二名様ですか?」

「待ち合わせで、後から二人くるんで」

「かしこまりました、では案内致しますのでこちらへどうぞ」

嵐慣れてるな。こいつは甘い物とか好きだし、女も出来たみたいだし普通か。

「流季もこうゆうとこ来れねーと、アゲハちゃんと付き合えないぞ。香音ちゃんによると、アゲハちゃん…甘い男がタイプみたいだぞ」

「…甘い男…フッ…」

そうか、アイツは甘い男が好きなのか。

俺は過去に一度だけ、甘い男ってのになった事がある。

あれ以来二度と、甘い男にならないと決めていたけど、アイツのためならもう一度甘い男になりたいと思った。

旨そうにポッキー食ってるアイツなら本当に
“甘い物”が好きな予感がしたから。

アゲハ…俺はお前を信じるからな。
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