*甘いモノ*

*だからアタシはあんたが苦手*






「じゃあ今日から亜樹はここに住むんだよね、荷物は?」


「こっち来るときに全部持ってきた」






「.........あ、そう。じゃ晩御飯は?」


「それも家で食べてきた」







「.................そうですか。じゃあ部屋に」

「梓、気になんないの?俺が居ても」



この人は.....
人の話を聞かない、必要最低限のことしか言わない、無表情この三原則がある


だから亜樹が嫌なんだけ.........いやそうではないんだけど。


.....てか、最後に言ってた言葉なに?



「.........は?」



その瞬間全ての空気が変わったかのように感じた

そうだこれだ




アタシの嫌なのは。





「は......いやちょっと亜樹」


「なに?」


「なんで近づいて来てんのよ」


「なんとなく」




なんとなくでそんな含みのある近づき方するか!!!!






亜樹はそのままゆっくりと立ち上がって、私にゆっくりと近づいてきた。






条件反射で私もゆっくり後ずさる。






「亜樹のママは夜勤だから、俺達が居る頃には家にいないよな」


「..........」


「ということは、夜。居るのは俺と梓だけ」


「..........」



「一つの家に男女が二人......」





........トン



「............あ」

後ろに後ずさるのにも限界が来たようで




どんなに後ずさってもそれ以上は下がることは出来なかった。


だって壁があるんだもん




でも亜樹は歩くのを止めず、そのまま近づいて.......


「ねぇ、梓」







亜樹がアタシの目の前で止まった。



そしてアタシの耳元に顔を寄せ......










「.....どういう事になるか......わかる?」



最後になるにつれ、掠れた様な声になったその声に





「.......っ!!!//」






少なからずもアタシは反応していた。
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