異性同名
中2の春。
クラス替えでドキドキしながら
教室に入ったあたしの視界に
一番に入って来た「そいつ」は
あろうことかあたしと同じ名前。
あたしの名前は「みずき」で
そいつの名前は「瑞樹」。
読みが一緒だから
ちょっと意識しちゃう。
瑞樹はあたしが1年生のときに
仲が良かった知大の親友。
知大とは色々あって縁なんか切れてた。
事実、1年生のときはあたしの世界には
寧々だけじゃなくて知大もいた。
同じ学校の生徒の、
あたしの周りの何百人もの中の
ひとりふたりしか入れないような
あたしの世界に、
瑞樹は、いとも簡単に入って来た。
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