電車で見かけるあの子



あの日、あんな顔でいた彼女は、優しい人と幸せになれたんだ。

それは悲しいことに俺じゃないけど、
二人の会話を聞いてて、お互いがお互いを想い合って、幸せでいるってのはよく伝わってきた。

何より、彼女に笑顔が戻ったのが何よりの証拠だ。


良かった、本当に良かった。
好きな人が幸せになってくれて。

その日。何故か2人は何時ものところでは降りず、ずっと乗っていた。
逆に俺は学校の、二駅前で降りて、胸の中で泣きながら友だちとの待ち合わせ場所まで思いっきり駆けて行った。

良かった。良かった。好きな人が幸せで、本当によかった。

出来ることなら俺が幸せにしたかったけど、

どうか、君の幸せが末長く続きますように


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