私をひとりじめ
映画は今話題の洋画だった。

字幕を読むのに必死で、何気なく二人の間に立っていたポップコーンを目で確認することなく、掴もうとした。


「あっ。」


慎くんの指に私の指が触れ咄嗟に手を引っ込めた。

隣を見ると、笑みを浮かべていた。

その笑みに何故か心臓がバクバク激しく鼓動した。


冷静さを保とうと、反対に立ててあった紙コップを手にし、ストローを口に含み一気に飲んだ。


慎くんは、クスクスと小声で笑っていた。

丁度、大音量の場面でどうやら回りには聞こえていないようだった。

彼は大人で、単に私の指が掠めた、そんな程度にしか思っていないと思う。

けれど、私は異性との免疫がない子供…。

少しのことで動揺し、心臓の鼓動が激しく高鳴った。

結局、ぼんやり字幕を眺めていたので、映画の内容などさっぱり理解出来なかった…。


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