私をひとりじめ
私、星井 亜果利(ほしい あかり)、15歳、高1


日差しが心地良いある日休日。

母は、趣味のトールペイントのサークル先で出会った友人を自宅に招くことになっていた。

私は友達と遊ぶ約束もしていなくて、それに彼氏もいないので、自宅で暇をもて余していた。

父は休日出勤、5歳年上の兄は、彼女とデートに朝早くから出掛けていて、家には、私と母の二人だけの状態だった。


『ピンポーン。』と家の機械音のチャイムがリビングに鳴り響いた。


母はモニターを確認すると、すぐに小走りで玄関へと行った。

私といえば、リビングのソファでくつろぎながらファッション雑誌をペラペラとめくり、興味の引く写真がないか探していた。


「さあどうぞ、中へ入って!」


母の声が廊下から聞こえてきた。

私がくつろぐリビングの方へ、複数のスリッパの履いた複数の音が中へ通じる扉の前でピタッと止まる。

それと同時にリビングの扉が開く。

私は正面の扉へ視線を移した。


母の後ろに母と同世代の女性が立っていた。


「こんにちわ。」


私は女性にぺこりと頭を下げながら、社交辞令の挨拶をした。

しかし私は女性の背後にもう一人の人影があるのに気付いた。

そこには180センチくらい背丈はある長身の若い男性が立っていた。

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