恐怖の友達

 痛い。意識が飛びそうだ……いっそ殺してくれ……この腹の痛みには耐えられない。


龍二の願いは虚しく部屋の天井で止まった。

全知全能の神様。それでも、管理出来ない場所が存在する。


そうここは、この世ではないのだ。

神様にすら忘れられた場所。

この世には存在してはならない場所。


「分かった? 僕を見捨てたら今度は頭を貫いて脳を引っかき回すからね」


そう聞こえると、背後からの声が静まり、龍二の腹からは手が引き抜かれた。


悪霊の手が。このホテルは悪霊達の天国。

人間にとっては地獄といえるか。
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