MOONLIGHT
「ちょ、ん……し、将っ、なにするのっ!?」
私の上にのしかかり、唇を激しく奪う、将を叩いて、唇ををはずした。
「だって…レイ、怒ってるし…もう、今日嫌われたんじゃないかって、不安で、不安で…。だけど、俺、レイに捨てられたら生きていけない。弁慶ばっかりキスして…。最近、俺とのキスより、弁慶にする方が多くて、ただでさえ不安なのに…。」
そう言いながら、私をぎゅうっ、て抱き締める将。
何だよ。
無茶苦茶可愛いじゃないか。
「もう、そんな可愛いこと言ったら、怒れないじゃない。」
そう言って、ちゅ、っと将の頬にキスをした。
パッと将の顔が輝いた。
「レイ、好き。愛してる。」
「うん、私も。」
そう言うと、将がポロリと涙を溢した。
「よ、よかった…。俺、完全に今日のことでレイに嫌われたって思った。」
涙をぬぐってやりながら、バカだね、と言って。
ちゅ、と唇に短いキスをした。
「あのね、そんな簡単には嫌いにならない。私が、将の事をどれだけ好きなのかしらないの?」
「だって…。」
「確かに凄く怒ってたけど。だけど、将。私が帰ってからちゃんと、弁慶に話したんだ。弁慶納得したみたいで、昨日までと違うから。」
「…実は、弁慶に頼む、ってお願いしたんだ。で、帰るときも、助かったってお礼を言った。なんか、普段レイと弁慶のやり取り見ていて、ちゃんと話をすれば、弁慶に気持ちが通じるかもって、思ったんだ。」
「うん、弁慶にはちゃんと話せば気持ちが通じるんだよ。これからはちゃんと話をしてあげて?今日は、将の役に立てたって喜んでる顔してるし、昨日までと全然ちがう。」
私がそう言うと、将は弁慶の顔を覗き込んで、嬉しそうな顔をした。
「なんか、俺達家族だな。助け合って。もう誰がかけてもダメだ。なあ、レイ。これからも、レイを支えるし、レイも俺を支えてくれよ。」
将が震える唇でそう言った。