リアルフェイス【短編】

鉄平のチームメイトが、ボールをキープした状態でゴール前に来る。


だけど、和くんチームのディフェンダーが邪魔をする。


すると、ボールは鋭い勢いで、ゴールとは違う場所めがけて放たれ、そのスペースに小さな影が入りこんだ。


ゴールキーパーやディフェンダーが体勢を立て直す暇のないまま、その影が足を高々と上げた。


あっと思ったときには、ボールは吸い込まれるようにゴールのなかにおさまっていた。


その影が振り返り、遠目にだけど、顔を向ける。


それは鉄平だった。


(や、やだ、やだ、やだ。

お願い、和くん、がんばって)


前半の点がカウントされるのかわからないけど、和くんが最低2ゴール決めて、鉄平がこの後1ゴールも決めれなかったら、問題はない。


だけど、2ゴールもできる?


サッカーはバスケなんかと違って、そんなにゴールを決めれるようなスポーツじゃないもの。


ああ、いやだ。


良くない想像ばかりが頭を支配する。


「……悠衣、和くんの応援しなきゃ」

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