君の光になりたくて。
でも、今なら俺そんな運命ってやつを

信じられるかもしんねー。くさいかも

だけど。だって俺、今………





名前も知らない君に……恋しました。



君のすべてに俺、一目惚れしてしまった

んだ。初めて会った君を「守りたい」

って思った。本気で。

どこに惹かれたとか、わかんねぇけど

何か言葉にならない想いが募ったんだよ

。こんな想いは…世に言う「恋」なん

だろ?

「あの、…だ、大丈夫ですか?」

「あ、は、はい‼…す、すいません。」

おいおい‼俺‼噛み噛みじゃねーかよ。

しっかりしろ、落ちつけ。

汗ばみそうな手をなんとか落ちつかせ

ながら本を渡す。俺、普通に渡せたよな

?変じゃなかったよな?

いちいちそんな事を気にしてしまう。

「ふふっ。面白い方ですね。」

そう微笑みながら俺に話す君は大袈裟か

もしれないけど、天使が笑ったらこんな

顔なんだろな、ってくらい可愛くて、

和やかで。俺は君から目が離せなくなっ

た。まぁ、俺のどこが面白いかはさっ

ぱりだったんだけど…。

「あの…せっかくなんで、横の席、

座ってもいいですか?」

「あ、はい。もちろんどうぞ。」

え?!俺こんな至近距離で耐えられる

んだろうか。心臓のドキドキが倍増して

るし。肩があたりそうなこの距離は…

ヤバイヤバイ。落ちつけ俺。

「えっと…咲原男子高校の方ですか?」

「あ、はい。そうです。」

「やっぱり!…あ、私はその横の学校

の咲原女子高校二年の長谷川杏

っていいます。」




< 4 / 7 >

この作品をシェア

pagetop