オタガイサマ⚁
失ッタモノ
雅也に純と別れた事を話した





「別れた」





『なんで』





絶対怒ってるような口調だった





「よくわかんない」





『女ってわかんねーわ

ブロックするべ

じゃあな』





いや

こっちがよくわかんない





純も失い

雅也も失い

信用も失った





でも仕方のない事だと思う





だって先裏切ったの自分じゃん…

何されても何も言えないんだよ





心の中で自分に怒りを覚える

涙も出たのかすら覚えてない





ただ無心に

壁を殴っていた





翌日





腫れた手を見て心が落ち着いた

かまってちゃんのようで嫌だった





自分は何をしたいのか

全くわからなくなっていた





ただ孤独だった





急に過呼吸のようなものに襲われて

息の仕方を忘れて

頭が真っ白になって

ごめんなさいと言いながら壁を殴って

何個もピアスを開けて

痛みをほしがって





そんなときが時々あった

〝不安さん〟がきた

そう友達に話したりもした





ただ怖かった





一度に沢山の物を掴むと

全て失う

改めて学んだ





それから

不安さんと戦う日も減ってきながら

平凡な日々が続いた
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