当て馬ならし

第八話 当て馬崩し

昼食を食べながら
城下町を眺める。

私の為に用意された特等席は、
城の敷地内でも
少し小高くなってる丘だった。

風が心地よく
きれいに手入れされた生垣の花が揺れる
庭園から少し離れていて
静かで心地いい。

城壁の向こうにある森から
小鳥のさえずりが聞こえ
涼しげな水音を立てる噴水とあいまって
心が落ち着いた。

「こんな素敵な場所を、
 教えてくれてありがとう」
そういうと若いメイドは
得意そうに笑った。
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