当て馬ならし

第二話 当て馬帰し

傷ついた心を抱えながらの馬車の旅
もう・・・
なれてしまったなぁ・・・
つい、うとうととまどろむ。

朝方はまだ雲に覆われていた空は
今は心地よく晴れているのだろう

閉じている瞼(まぶた)を通して
優しい日の光を感じる
空気が変わった。

森の香りが
光を満たした風の中を
流れていく。
土や草の匂いが
心の瘡蓋(かさぶた)を
優しくなでて、
癒してくれる。

帰ってきたんだなぁ、
ファルゴアに・・・

ゆっくり目を開けると
すでに景色は懐かしい緑の森と
収穫期を迎えた作物が
たわわになる大地へと代わっていた。

小さな、小さな私の故郷

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